施工実績

葉山市にお住まいのお客様より、「外に置いていたダンボールがボロボロになっている」とのご相談を受け、シロアリ点検と駆除作業を実施しました。お住まいは戸建て木造住宅で、庭先に一時的に保管していたダンボールに食害が見られたことから、室内への侵入可能性が疑われる状況でした。シロアリは湿気を帯びた紙類を好むため、屋外のダンボールや木材に被害が出た場合、住まい本体にも高い確率で接近していることが多く、早急な点検が不可欠です。

まずは住宅周辺と床下の詳細点検から開始しました。外部のダンボールに残された喰い跡や土の付着は典型的なヤマトシロアリの痕跡で、活動時期の湿度条件と一致することから、比較的最近の加害であることが推察されました。続いて床下へ潜り、基礎・木部の状況を確認したところ、玄関内側の立ち上がり、和室の大引き周辺、そして広縁の根太にかけて複数の蟻道が発見されました。いずれも床材の裏側に沿って延びるように形成されており、外部から室内へ向けて活動が進行していることを示しています。

さらに、広縁下の根太には小規模ながらカビの発生が見られました。このカビは、シロアリ被害とセットで見られることが多く、床下の湿度が高い環境にあるサインです。特に葉山地域は海風の影響による湿気がこもりやすい気候特性を持つため、シロアリにとって活動しやすい住宅環境が自然に形成されやすい点に注意が必要です。

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今回の調査では、玄関部のコンクリート立ち上がり部分にも小さな隙間や表面劣化が確認されました。
こうした部位はシロアリが侵入経路として利用するケースが多いため、内部に向かう蟻道形成と合わせて、玄関部を重点的に処置する必要がありました。点検結果を踏まえ、以下の流れで本格的な駆除施工を実施しました。

■木部穿孔注入処理
玄関内側・和室・広縁それぞれの木部に対し、小さな穿孔を開け、内部の木材線維まで確実に薬剤が浸透するよう注入処理を行いました。シロアリは木材内部を掘り進めるため、表面処理だけでは完全な駆除・予防が難しく、穿孔注入が最も効果的な方法のひとつです。特に和室は畳下の湿度が高まりやすく、シロアリが好む環境となるため、周辺の根太・大引きにも徹底的に注入を施しました。

■床下全体の帯状散布
床下の地面と木部接触箇所には、防蟻薬剤を帯状に散布し、新たな蟻道形成を防ぐためのバリアを構築しました。ダンボールに被害が出ていた段階で、すでに外部からの侵入が確認されていたため、住宅全体の防御ラインの再構築が重要となります。

■玄関コンクリート穿孔注入
玄関部は特にリスクが高いと判断し、コンクリート立ち上がりに専用ドリルで小さな穴を開け、内部に薬剤を圧入しました。コンクリートは一見すると硬く防御力があるように見えますが、実際にはシロアリは微細な隙間から侵入してくるため、内部に薬剤を浸透させて防御層を形成することが極めて重要です。

■カビ処理と湿気改善アドバイス
広縁下に確認されたカビは、清掃と除菌処理を行い、今後の湿気対策として床下の換気状況や通気の改善方法をご案内しました。葉山のような海沿い地域では、湿度対策はシロアリ予防と同じくらい重要なポイントになります。

施工完了後、お客様へは被害箇所の写真、蟻道の状況、薬剤の効果期間、今後の点検頻度についてご説明しました。外部のダンボール被害から始まった今回のケースは、「気づくのが少し遅れていれば室内で大規模被害になっていた可能性」も十分ある事例でした。早期の連絡と点検により、お住まいへの深刻なダメージを未然に防ぐことができました。
葉山市のように自然豊かな地域では、シロアリの活動が特に活発です。小さなサインでも放置せず、早めの点検と迅速な駆除施工が、大切な住宅を守る最大のポイントとなります。

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