施工実績

武蔵村山市の住宅において、和室天井から雨漏りが発生しているとのご相談をいただき、現地調査および雨漏り対策工事を実施しました。雨漏りは、天井材の腐食・カビの発生・柱の劣化など、建物の寿命を縮める重大なトラブルです。特に和室は木材や紙材を多く使用していることから、雨漏りの被害が広がりやすく、早期対応が不可欠となります。

今回のケースでは、散水調査の結果、和室の真上に位置する「笠置手すり」部分から雨水が内部へと侵入していることが判明しました。笠置手すりは外部に面しており、施工不良や経年によるシーリングの劣化が起こりやすい箇所です。実際に手すり基部のシール切れ、細かな隙間、勾配不良が見受けられ、雨水が外壁内部を伝い天井裏へ流れ込んでいる状況でした。本レポートでは、調査過程から工事内容、完了後の状況までを詳しくご報告いたします。
【事例】『大雨の後、天井から雨水がポタポタ落ちてきた心配なので調査してほしいとのご依頼』など掲載

【和室天井の状況】
ご相談いただいた際、和室天井の一部にはすでに大きな雨染みが形成されており、雨天時には滴下が確認されていました。天井板を軽く押すと湿り気が残っている状態で、一定の期間にわたり雨水が侵入していたと推測されます。天井裏を確認したところ、和室上部の一部に濡れ跡が線状に広がっており、建物外部のどこかから雨水が回り込んでいる形状でした。しかし、内部からでは確実な侵入箇所を断定できないため、外部の可能性が高い部分を中心に散水調査を行う判断をいたしました。

【散水調査の実施】
雨漏り原因の特定には、実際の降雨を再現する「散水調査」が非常に有効です。調査では、雨水が侵入しやすい外壁の繋ぎ部分、手すり周辺、板金笠木の取り合い部などを順番に散水し、内部への漏水再発を確認しながら進めました。散水の結果、笠置手すりの基部に水をかけた際のみ、天井裏の濡れが再発し、侵入経路が完全に一致しました。これにより、雨漏りの原因は笠置手すりの劣化とシール切れによるものであることが明確になりました。

笠置手すりは外壁やバルコニーの端部に設置されることが多く、雨・風・紫外線の影響を強く受けるため、シーリングの劣化が進みやすい箇所です。今回も例に漏れず、手すり根本のシールの破断、接合部の隙間が確認され、水が内部に直接流れ込む状態となっていました。

【実施した雨漏り対策工事】
原因が笠置手すりに集中していることが判明したため、必要な補修工事を以下の通り実施いたしました。

■（1）笠置手すりのコーキング補修
まず既存の劣化したシール材を全て撤去しました。古いシーリング材は硬化しており、完全に剥がれずに残っている部分もありましたが、丁寧にカッターやスクレーパーを使用して取り除き、下地を清潔な状態に整えました。シール撤去後、専用プライマーを塗布し、新しい高耐候性の変成シリコン系コーキング材を充填。手すりの取り付け部周辺、継ぎ目、角部分など水が入り込みやすいポイントを念入りに処理し、気密・防水性を高めました。今回は再発防止のため、通常より少し厚めに打ち込み、隙間が生じないよう均一に成形しています。

■（2）笠置への板金加工物の取り付け
笠置部分はそもそも水が溜まりやすい構造であったため、コーキング処理のみでは長期間の耐久を担保するには不十分と判断しました。そこで雨仕舞い性能を根本から向上させる目的で、板金加工物（笠木）を新たに取り付けました。取り付ける板金は、勾配をつけて雨水が自然に流れるように調整しており、風雨時でも水が滞留しにくい構造となっています。継ぎ目には端部シール処理を行い、吹き込みや毛細管現象による吸い込みも防止。これにより、笠置手すり周辺の防水性能が大きく強化され、今後の再発リスクを大幅に低減することができます。板金は建物の外観に合わせたカラーで加工しており、意匠性にも配慮した仕上がりとなっています。

【施工後の確認と今後について】
工事完了後、再度散水を行い、雨漏りが完全に止まっていることを確認しました。天井裏に新たな濡れは見られず、侵入経路が確実に封じられたことを確認しております。今後は天井材の自然乾燥が進むにつれ含水率も下がり、内部の腐朽リスクも解消されていきます。必要に応じて天井の張り替えや補修もご提案可能です。

【まとめ】
今回の武蔵村山市の雨漏り事例では、和室天井の雨染みから始まり、散水調査で笠置手すりの劣化が原因であることが判明しました。笠置手すりのコーキング補修と板金加工物の取り付けにより、根本原因を確実に封じ、今後長期間にわたり安心できる防水性能を確保しています。

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