施工実績

立川市のお客様より、「本棚の下から白い羽のような虫が出てきて、本棚を動かしたら木屑が落ちていた」とのご相談をいただき、急行して調査を行いました。室内でシロアリを確認した場合、すでに建物内部で活動が進行しているケースが多く、今回もまさにその典型例でした。本棚裏を詳しく確認すると、棚板の下部に食害が広がり、さらに床材との接点部分に土が混じった破片が付着。これはシロアリが床下から入り込んで本棚まで蟻道を伸ばしている明確なサインです。

本棚周辺の被害状況から、床下の侵入経路を特定する必要があると判断し、お客様の了承を得て 床下点検口の新規設置 を行いました。点検口がない住宅では、床下の状態が完全に確認できず、食害の範囲や湿気環境を把握することが困難なため、シロアリ駆除では非常に重要な工程となります。既存床材を慎重にカットし、補強材を組み込んだ上で点検口枠と蓋を設置。施工後は美観を損なわず、安全に昇降できるよう調整を行いました。

点検口から床下へ潜り、詳細点検を行ったところ、本棚直下に 明確な蟻道が確認されました。束石から上がる土色の筋を辿ると、根太・大引きにまでシロアリが侵入し、さらに床下から水回り方向へと伸びる複数の細い蟻道も発見されました。特に風呂場・洗面所周辺は湿気が高く、木材の含水率が上昇しており、シロアリにとって格好の生息環境となっていました。水回りでの食害は建物の耐久性に大きく影響するため、早期対応が必須です。被害部の位置、湿気環境、構造材の状況を踏まえ、今回はコンクリート部の穿孔注入処理と木部穿孔注入処理を組み合わせた総合的な駆除を実施しました。
【事例】『倉庫のシロアリ駆除を行いました』など掲載

まず、室内側からは本棚下と周辺床材の接点を確認し、床下に通じる可能性の高いコンクリート基礎部分へ穿孔を実施。一定間隔で小さな穴を開け、専用ノズルを挿入して薬剤を圧入注入します。コンクリート内部の隙間にはシロアリが通り道（蟻道）を作りやすいため、内部浸透に適した薬剤を使用し、基礎内側までしっかりと浸透させることで、見えない部分のシロアリも確実に駆除します。

次に、床下側では根太・大引き・土台に対して木部穿孔注入を実施。被害箇所に直径数ミリの穴を開け、木材内部へ薬剤を直接注入することで、内部に潜むシロアリを迅速に駆除すると同時に、周辺木材の防腐・防蟻対策にもなります。穿孔部は薬剤注入後に専用木栓で確実に塞ぎ、外観を損なわないよう処理しています。水回り方向へ伸びていた蟻道にも追加処理を行い、湿気の多い部位には拡散性の高い薬剤を散布して侵入経路を遮断しました。

床下全体を確認すると、一部に水滴の付着や湿気の滞留が見られたため、今後の再発防止として換気改善と定期点検の必要性 をお客様へご説明しました。シロアリは湿った木材を好むため、床下環境の改善は非常に重要です。特に立川市周辺は地盤が比較的湿気を帯びやすい地域もあり、今回の住宅も水回り直下の湿度が高く、被害拡大につながったと考えられます。

最終的に、本棚下の蟻道はすべて除去し、食害の進んでいた棚板には補修のアドバイスも行いました。駆除処理後は床下全体に帯状散布を追加して予防効果を高め、作業完了となりました。施工後の確認では、薬剤の浸透状態も良好で、活性シロアリの反応も完全に消失。今後は1年点検を含む数年間のアフターフォローを行い、再発防止を徹底していきます。

今回のケースは「室内に置いてある家具からシロアリが出てくる」という、早期発見しやすいながらも深刻な被害につながりやすい典型例でした。本棚や家具の下部は普段あまり目に触れないため、気付いた時には床下から大きく侵入が進行していることが多々あります。もし同様の症状が見られた場合は、早急な点検を強くおすすめいたします。

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